
本日は前回の続きになります。前回は様々なシミュレーションの話をしました。そのシミュレーションの一つとして、「通所介護において要介護2以下が総合事業へ移行」という話題を挙げました。
この話題に関して厚労省の議論を見てみると、結論はだいたい「地域資源が不足している」等の理由で、検討を継続するとなっています。要介護認定を受けているわけですから、ケアには専門知識や技術が必要になることは想像に難くありません。そのため総合事業、つまりは専門的スタッフの関わりが一定程度見込める地域資源がなければ、適切なケアが提供されないことが危惧されます。その結果、多くの方の介護度が悪化しては元も子もありません。
では、見方を変えてみましょう。「地域資源が充足していれば」どうなるでしょうか?先ほどの展開とは違う方向に事が動きそうですよね。こちらは次回以降に綴る話題にはなりますが、社会保障費の伸び(特に介護保険)、通所介護の収支差率等々を読み解くと、介護保険事業である通所介護に改革の矢が向けられる可能性は非常に高いのではないかと考えています。
国の政策の方向性と深度をリサーチしていると、平成29年の地域包括ケア強化法において保険者機能強化推進交付金と介護保険保険者努力支援交付金が設けられたことを目にしました。交付金とはを簡単に説明すると「国などが、特定の政策目的を達成するために、自治体などへ渡すお金」です。そうなんです、政策目的があるんです。
これらの交付金の評価指標はこちらになります。
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000610972.pdf
様々な指標があり読み取りにくいですが、大枠を見ると地域資源を増やすことにインセンティブが発生しています。当初は予算額200億円で配分は都道府県10億円、市町村190億円でした。これに加え、令和元年度の予算では介護保険保険者努力支援交付金が創設され、交付金の額が倍増の400億円になりました。400億円の配分割合は変わらないので、都道府県20億円、市町村380億円です。
評価結果はこちらから見られます。
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001732596.pdf
本結果を国がどのように解釈するのかは分かりません。ですが政策としても地域資源を整備しており、そこに予算が投じられその動きが加速しているという事実は確かにあります。本交付金の使途や意図は様々です。それを踏まえた上でも、これらの流れを注視し、私は2030年度の改定までには条件付きで要介護2以下の総合事業移行の動きは起こるものとして経営計画を立案しております。仮に2027年度の改訂で起こったとしても、理念を変えることなくサービスを提供する体制はシミュレーションできております。
前回も綴りましたが、これらの経緯の是非の議論ではなく、経営判断上のシミュレーションとして考えうることを述べております。
続
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